ラジオ漂泊 #07「無数の点が光ってる、35年間分の。いや、もう、ぼく話すことないなって」(話し手:西松秀祐さん)
- yonago nagiri

- 11月10日
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藝術新社 漂泊、2025年9月からPodcast『ラジオ漂泊』をはじめました。
由布院に住むひと、訪れるひとの声を聞きながら、そこにある日常と文化を記録していこうと思っています。
今回の話し手は、西松秀祐さん。
数年前、大阪のまちを自転車で走っていたとき、見覚えのある人とすれ違った。「あれ?」と思って引き返してみると、それは西松さんだった。アーティスト・イン・レジデンスで大阪に滞在中で、リサーチを兼ねて歩いていたところだという。しかも、ちょうどその場所は、わたしが大阪で半年ほど住んでいたアパートの前。思わず「この部屋に住んでたんですよー」と説明したりした。このときの大阪での制作を含め、いくつかの作品を拝見してきた。そして、今年の春。夏に開催される「JR由布院駅舎100周年」記念展示の枠を、急遽自主企画として担当することになった。「誰にお願いしよう」「期間もあまりない、どうしよう」と考えていたとき、真っ先に思い浮かんだのは、西松さん。これまでさまざまな地域に滞在し、その土地に丁寧に向き合いながら表現を重ねてきた印象があった。すぐに連絡をとり、そこから約2ヶ月の準備期間を経て、ご本人とご協力いただいた皆さんのおかげで、とてもよい展示と、その過程となった。あのときの待合室の空気は、ことばで説明できない、なんともじんわりくるものがあったなぁ。すこし人見知りな西松さん、ひとやものごとをちょっとだけ遠くから注意深く見ていて、そのまなざしが作品にも映し出されている気がする。穏やかで、チャーミングな方。
○今回の話し手○
岐阜市生まれ。現在大分県杵築市山香町を拠点に活動している。映像、テキスト、写真などを用い、人々との出会いや自身の心の機微を、歴史や社会的な出来事と重ね合わせる詩的な作品を制作している。主な展覧会に「Anytime」(由布院駅アートホール,由布院,2025)、「transition #02 Variations in Time」(別府市創造交流発信拠点 TRANSIT, 別府 )、「黄金町バザール2024」(Studio YUSUI C-2, 黄金町, 2024)、「A Breath of Time」(Grand Huit, Nantes, 2024)、「あたらしい場所」 (ギャラリーミヤウチ,廿⽇市市, 2023)、「遠くの⽅で⾳がする」(⼭中suplex別棟「MINE」, ⼤阪, 2023 )等がある。
収録日|2025/10/02 - 西松秀祐さんのアトリエ兼ご自宅(杵築市山香町)